ハートメイカー -Heart Maker-
[単行本(ソフトカバー)]
コミュニケーションの本質は意外と単純です。どんなに戦略的な言葉を駆使しようが、いくら頭が良かろうが悪かろうが、心と心は、パッシブ・ポジション(受容スタンス)とアクティブ・ポジション(反撃スタンス)の交換によって成立しています。
返事を返された方は、発言を受容されれば快だし、反論されれば不快になります。
どれほど高度な政治的議論であれ、どれほど難解な数学的論争であれ、そして、どれほど凡庸(ぼんよう)な日常会話であれ、人間は誰しも会話する時、このパッシブ(受容)とアクティブ(反撃)のキャッチボールをしています。
「人間の心」という一見、複雑怪奇なメカニズムも、実は「0(パッシブ)か、1(アクティブ)か」の二択でしかないシンプルなシステムです。
「だから、それはさ」と答えや結論を急ごう(反撃しよう)とはせず、愛があるなら「うん、そうだね」と相槌を打って(受容して)あげましょう。誰だって自分を受容(肯定)されれば嬉しいのです。例え、いくつになっても。
文化的な衣をはぎ取ってしまえば人間も動物と同じ。頭の中に言葉がなければ、人間はただの動物です。だから、そんなに人生を難しく考える必要はないのです。ちゃんと食べることが出来て、健康で、子どもを元気に育てることが出来ればそれでいい。社会というのは、そのためにあるようなものだから。例え、自分で子どもを産むことが出来なくても、子どもを育てることは誰にでも出来る。(本書より)
鈴木剛介
著書:『THE ANSWER 角川書店 (2004/06)』『人はなぜ生きるのか、答えよ! 河出書房新社 (2007/05)』 他多数
著書:『THE ANSWER 角川書店 (2004/06)』『人はなぜ生きるのか、答えよ! 河出書房新社 (2007/05)』 他多数